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by yumi_si
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カテゴリ:対処法( 22 )

「誕生日、もうすぐだね。何が欲しい?」

しばらく逡巡したのちに、彼は私の髪に口づけながら答えた。
「そうだなあ……。僕は君の愛ともう一歩踏み出せる勇気が欲しい」

「愛と勇気?」
「そう」

私は彼の瞳を見つめいさめるように言った。
「それはアンパンマンのだからとっちゃだめよ」

そして微笑みながら
「彼にはそれ以外何もないけど、あなたには私がいるでしょ」
と言った。
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by yumi_si | 2009-06-23 09:31 | 対処法
―ある大学生の会話―

「ったくあいつ、いつもマイク離さないよなあ」
「そうだな」

―10分経過

「お金払ってるんだし、ずっと聞いてるだけって、やるせないよね」
「ああ、退屈だしな」
「たまには俺たちにもマイク回せって言うんだよ」
「いや、俺それはいいや」
「そうかあ。こういうの苦手だっけ?」
「ああ。どうもついていけなくって……」
「ふうん。こんど簡単なヤツ教えてやるよ」
「それにしてもあいつマイク離さないよなあ、もうずっとだよ」
「仕方ないよ、大学の教授だし、授業中だもん」
「そんなもんか」
「じゃあ寝るよ、おやすみ」
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by yumi_si | 2009-06-18 17:18 | 対処法
ああ。大事なプレゼンがこれからあるのに遅刻だ。
間に合わない。

今まで無遅刻・無欠勤で堅実なのが僕のとりえだったのに。

まさか通勤途中に、
鳥のフンにあたって、スーツ着替えてくる羽目になるなんてっ……!

プレゼン用に新しく買った上等なスーツだったのに。

なんて言い訳しよう?
事実を話しても、信じてくれないんだろうなあ。

父の葬儀?
祖母が倒れた?
猫の尻尾が2つに分かれてた?

いや、やっぱり嘘つくのはよそうか。
でも……。

「すみません、遅れました!」

会議室のドアを大きく開けた。
重役たちの視線が僕に刺さる。

「君には失望したよ。こんな時に遅れるなんて」

僕は必死に考えた言い訳を言った。

「すみません。強風で自動ドアが開かなくって……」

その日のプレゼンが失敗だったことは、言うまでもない。
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by yumi_si | 2009-03-10 14:28 | 対処法
僕は春までは生きられないらしい。
昨日、主治医に宣告されてしまった。

長かった入院生活。
隔離病棟で話し相手もできず、楽しみはラジオだけだった。

ふと時計を見ると20:03。

「あ、もう始まってる」

大好きな音楽の駅というラジオ番組。
毎週J-POPやらなにやら視聴者のリクエストに応じた曲を流してくれる。

DJ:では、今日のリクエストはこの曲!

もうすぐはーるですねえ♪


……春なんか、大嫌いだ。
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by yumi_si | 2009-02-07 16:11 | 対処法
最近、旦那の行動がおかしい。

仕事帰りのスーツのワイシャツに口紅がついてたり。
ラメパウダーが指先についてたり。
香水のにおいがしたり。
IT系の会社だから、そんなに女性と接近することはないはずよね?

でも帰ってくる時間は普通なのよね。
残業1時間したかな、くらい。

ほら、ラブホってだいたい休憩3時間で延長料金でしょ?
だから浮気してるには、時間がちょっと合わない気がするのだけど……。

「ただいま」
あ、旦那が帰ってきた。

「お帰りなさい」
疑ってるのなんて忘れたふりして、笑顔で私はジャケットを受け取る。
この行為って奥さんって感じがするの。ふふ。

……ファンデっぽいの付いてる。

思い切って言ってみようか。
でも、この幸せを壊したくない。

「お弁当箱、鞄の中だから」
「はーい」

毎日愛妻弁当。
今日は海苔でピカチュウ作ったの。
可愛くない?
他は冷凍食品だけど、ね。

……!

旦那の鞄の中に、脱ぎたてみたいなストッキングがある。
どうして?
もう、言うしかない。

「ねえ、何コレ?」
「……あ」

動揺、してる。
否定すらしてくれないの?

「もう、私たち終わりなのかな……」
「ごめん」

嫌。謝らないでよ。辛くなるから。

「実は」
「もう何も言わないでっ……!」
「言わせて」
「嫌だ聞きたくない!」

身をひるがえす私。

「待って逃げないで」

手首をつかまれた。
暴力? 男ってずるい。
力じゃかなわないこと知ってるくせに。

「離して」
「嫌だ」
「離してってば」

「君に言わなきゃなんだ」

涙が出てきた。
やめてよ。泣いたら、私の負けじゃない。

「実は今」

もう、いやだ消えたい。

「リストラされて、化粧品のアドバイザーやってるんだ」

……へ?
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by yumi_si | 2009-01-25 13:17 | 対処法
街はすっかりバレンタインモード。
昨日友達と行ったカラオケでも「バレンタイン・キッス」を歌った。
だけど渡す相手がいない。

「彼氏欲しいなあ……」
思わず口から洩れた。

「友達紹介してあげようか?」
隣にいた友達に聞こえてしまった。

恥ずかしい。
思わず口から洩れたって、どれだけ男に飢えてると思われたんだろうか……。

「いい。友達の友達には手を出さない主義なの!」
私は断った。

だって友達の友達じゃ、恋愛状況が全部流れちゃうでしょ。
「今日はお赤飯だね!」とか言われたらやだもん。

「そんなこと言ってたらいつまでたっても彼氏できないよ?」
失礼な。
「できるわ!」

「だって、この間『友達の友達は私の友達!』って言ってたよね?」

あ……。
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by yumi_si | 2009-01-16 16:27 | 対処法
今日は24か月記念日。
毎度思うけど、記念日って何したらいいんだろう?
特別な日だから特別なことをしたいんだけど……よくわからない。

メンズノンノ読んでアドバイスをもらう。
ふ~ん。彼女の望むことをしてあげる、かあ。
たしかにあたりまえだけど一番大事だよね。

なので今日はとびっきり贅沢に。

「欲しいものはなんでもあげるよ。僕のできる限り、だけど」
「じゃあ、なにか形に残るもの欲しいな」

女の子ってそういうところあるよね。
形に残すくせに、別れると捨てるんだよなあ。
まあ、僕と彼女は別れないから捨てられる心配はないけどね。

と、いうことで駅前のショッピングモールに来た。
便利だよね。ご飯も食べられるし、なんでも買えて。

1階からぐるぐる見て回る。
ああ、女の子の買い物って長いんだよなあ……。

「ヴィトンのモノグラムの長財布欲しいなあ」
「あ、高校生のギャルとかが持ってるようなやつ?」
「……やっぱやめた」

あ、やば。なんか琴線にふれたらしい。
一瞬ちょっとじとっとした目で見られた気がする。

「ティファニーの指輪もいいよね」
「ああ、いいんじゃない?似合ってるよ」
「ほんと? じゃあこれにきまり!」

彼女の弾むような笑顔を見ていると、財布がすっからかんになっても、
銀行の残高がなくなっても、昨日源泉徴収で返ってきた金額がすべて無くなってもいい気がする。

買い物の帰り、指輪を陽ざしにかざす彼女。
その指輪に光が反射してますます彼女は輝いて見える。

僕は幸せ者だな、彼女を2年間も独り占めできるなんて。

「ねえ、もう一つ欲しいものがあるの」
「何?」
「あなたの残りの人生を私に頂戴」

そう言って、彼女は婚姻届を差し出した。
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by yumi_si | 2009-01-07 15:08 | 対処法
「好き、嫌い、好き、嫌い……」
珍しい。今時花占いをしている少女がいる。

「好き! ふふふ」
ふうん。いい結果がでたんだ。よかったね。
あ、よく見たら隣のクラスの子だ。

彼女は無類の植物好き、らしい。
僕の所属する、美化委員会でも有名だ。
植物好きなのに、花びら千切るのは、僕はどうかと思うけど。

もちろん、植物にも詳しい。
あれ、ってことは……。

「ねえ、花びらの数知っててやってるよね?」
「いいじゃない。私だって幸せになりたいの!」

そう言って彼女は微笑んだ。
その笑顔を見て、僕が彼女を幸せにできたらいいのに、そう、思った。
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by yumi_si | 2009-01-03 06:12 | 対処法
いつも家の裏のセブンで煙草を買う。

銘柄はきまぐれ。
夏はメンソール好きだったけど、冬は寒いから普通の。
何にしようかな……。

あ、今日の店員さん初めましてだ。
高校生かな?
若いし、真黒な髪と目が初々しくて可愛いなあ。
私もこんな時代があったのよねー。ふふ。

「ピザまんひとつ。あと123番もらえます?」
結局数字を適当に並べて、運命に銘柄を任せることにした。

「123番……ブラックデビル(チョコレート)でよろしいですか?」
え、なんでそんなマイナーな煙草がセブンにあるの?
店長の趣味かしら。まあいいわ。

「ええ、それ1箱」

マニュアルどおりの言葉が返ってきた。
「すみません、身分証の掲示をお願いできますか?」

それにしてもこの子可愛いなあ。
ちょっとからかっちゃおう。ふふふ。
「あら、女の人に年齢聞くのは失礼じゃありません?」

「すみません。でも、規則でして……」
やだ、もう。尻尾股に挟んでる犬みたいになってる。
どうしよう、この子ツボだわ。きゅんきゅんする。

私と店員のにらみ合い。
っていうか私が見つめてて、相手は困ったような上目づかい、みたいな。

相手が折れた。
「……お会計合計で430円になります」

最後に一言。
「男だったら女の年齢見分けられるようになりなさいね」
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by yumi_si | 2008-12-27 19:58 | 対処法
次の時間は返ってくる。
大得意な倫理のテスト。

これが満点だったら、母さんに自分専用のTV買ってもらえるんだ。
保健とか音楽とか捨てて、倫理だけは超勉強したから。
自信満々なんだ。へへっ。

あ、先生来た。
「きりーつ、ちゅうもく、れい」
「お願いします」

このとき「注目」って言うの、群馬県だけなんだってね。
知らなかったよ。
カルチャーショックだよね。

「今回のテスト、満点は……」
よし、僕の名前だ。
小沢と言ってくれ!

「いませんでした」
「……ええっ!?」
思わず叫んでしまった。

周りのみんな大注目。

「先生、僕満点の自信があったんですけど」

注目されたから何か言わなきゃと思って出た言葉。
うわ、嫌味なヤツだと思われる……失敗だ。

「そう。でも小沢君はクラスでトップの98点だったよ、よく頑張ったね」

先生、慰めは要らない。
僕は満点じゃないと意味がないんだ。

しかし98点ってことは、1問2点だから、1問間違いだったのか……。
しくったな。
何間違ったか聞いとこう。

「先生、僕何間違えたんですか?」
「問9の『クラーク博士の名言は、少年よ○○。あとに続く言葉を書きなさい』だよ」

え?僕ちゃんと書いたよ?
「『少年よ大志を抱け』じゃないんですか?」
「そうだね。でもテストでは違った答えが書いてある」

うわ……ケアレスミスか。
あんまりにも簡単に解けるから見直し忘れたのかな。

「先生、僕なんて間違ってました?」
どうせあれだろう。「大志」を「大地」とか「大使」にしちゃった系だろう。

「小沢君の回答はね……はい。TVの影響受けすぎだよ」
先生が含み笑いしながら返してくる。
なんだよ。

そして返された僕の回答には
『少年よ神話になれ』
と書いてあった。
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by yumi_si | 2008-12-26 18:52 | 対処法