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by yumi_si
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初めて、恋をした。
一目ぼれだった。
相手は栗色の髪の毛がふわふわ揺れる、お人形さんみたいな可愛い子。

今日、僕はその彼女に告白をしようと思う。
結果はどうなるかわからないけど、やるだけのことはやるつもりだ。

僕は彼女のことを何も知らない。
でも、恋に落ちてしまったんだ。

だからこの気持ちは伝えるしかない、と思ったんだ。

ベタな手段だけど、机の中に手紙を入れて呼び出すことに決めたんだ。
彼女がずぼらな性格でなくてよかったと思う。
机の中で給食の残りのパンが腐ってたりなんかしたら、百年の恋も冷めるってもんさ。まだ14年しか生きてないけど。

『放課後、音楽室に来てください』

手紙にはそれだけの事しか書かなかった。
だって、ちゃんと自分の口で伝えたいじゃないか。

え、なぜ音楽室なのかって?

僕の学校の屋上は出入り禁止だし、体育館裏に来てくださいだと間違った意味でとられるじゃないか。
だから音楽室。

小さいころからクラシックに親しんできた僕にとって、リストやバッハはお師匠さまみたいなものだしね。
それに、僕にとってはお師匠さまでも、あの絵はちょっと不気味な雰囲気を出してるから、ジェットコースター現象っていうんだっけ?
その手も使っちゃえ!みたいな。

あ、来た。
一人で来てくれたんだ。
よかった。誰かと一緒だったらどうしようかと思ってたんだ。

「こんなところに呼び出して何なの?」
「わざわざ来てくれてありがとう。君に伝えたいことがあるんだ」

彼女はくりくりとした目で、僕をまっすぐに見つめる。
これから僕に告白されるなんて、思ってもみてないんだろうな、きっと。

勇気を出して僕は言った。
「世界で一番、君が好きだよ」

彼女は答えた。
「私も」

「それじゃあ……」
僕は期待して彼女の言葉を待った。

「私も世界一私が好き!」

こうして、僕の淡い恋心は粉々に砕け散った。
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# by yumi_si | 2008-11-23 09:10 | 対処法
週に1度の放課後デートの最中、突然彼女がとんでもないことを言い出した。

「私、Hにかなりこだわりがあるの」
「……は?」

驚きすぎて間抜けな声を出してしまった。
彼女の前では知的でクールな男性でいたかったのに。

とりあえず、なにか反応を示さなきゃいけない。
モテる友人が
「女性と長く付き合うコツは一つ一つの話を真剣に聞いてあげることだね」
と言っていたからさ。

「僕ら付き合ってまだ1か月ちょっとだべさ?」
おや、衝撃の余り訛ってしまった。
僕が群馬県出身だということがばれてしまうじゃないか。
別にいいけど。

「どうしたの? 急にそんなこと言いだして」
どうしたのはそっちじゃないか。

まだ僕はそんな深いところまで考えてなかったよ?
いやまあちょっとは、そんな雰囲気になってくれたらなあ、と思わなくもなかったけどさ……。
僕だって健全な17歳の少年だからね!

それにしても気になる。
彼女はどんなこだわりを抱いているんだ?
まさか言葉に出せないほど過激なものなんじゃ……!
僕、体力もつかなあ?
ってか、彼女初めてじゃなかったんだ。
ちょっとショック。

「絶対Hは、必要だと思うの」
「無いよりはあったほうがいいと思うけど、まだ早くない?」
「何が?」

彼女はきょとんとした顔で僕を見上げてくる。
何故? 何故そんな告白をしながらまっすぐな瞳で僕を見つめることができるんだ?

このままでは埒があかないので聞いてみることにした。
「で、こだわりって何?」

このまま聞かずに帰っても眠れやしないだろうし。
僕が想像もしてないような凄いことを言われても、僕は受け止めてあげよう。
だって僕は彼女を愛しているからね。

彼女は答えた。
「ローマ字の話なんだけどさ、『CHI』とか『SHI』には絶対Hが必要じゃない?」

ああ、そうですか……。
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# by yumi_si | 2008-11-14 20:26 | 対処法
誕生日プレゼントをあげることになった。
あんまり得意でない子から、僕の誕生日にプレゼントをもらってしまったので、そのお返しだ。
要するに、義理ってやつだ。

何をあげたらいいんだろう……?
下手なものあげて、こっちが相手のことを好きだとか勘違いさせても困るしなあ。

あいつ勘違い女だからな。
自分のことを可愛いって、いつもうぬぼれてるんだから。

そんなことを友人に言ってみたら、僕があいつのことを好きなんじゃないか、って誤解されてしまった。
「気になるほど相手のことを見てるんだねえ」って。
迷惑なんだけど、正直。

それにしてもプレゼントか……。
そうだ、これならいいんじゃないか?
うん、あいつ、あれが無いって言っていたし、これに決めた。

「誕生日おめでとう!」
爽やかに僕は渡した。
と、言ってもプレゼントは大きいものになってしまったので、台車に乗せて渡したんだ。

「え……?」
あ、若干引いてる。
まあ、いいけど。

「私、台車に乗せないといけないほど大きいプレゼントもらったの初めてだわ」
「僕も台車に乗せないといけないほど大きいプレゼントをあげたのは初めてだよ」
笑顔で切り返す。

「やだ私もしかして、特別扱い?」
違う違う。全力で僕は否定したいんだけど。
まあいいや。
中身を開けたらそうも思わなくなるだろう。

「開けてみてくれるかい?」
「うん」

ビリビリと思い切ってあいつは包装紙を破く。
几帳面な僕はそういうところが少し苦手だ。

「姿見……?」
「そう、この間家に無いから洋服決めるときに迷うって言ってたよね」
「覚えててくれたの?嬉しい」
げ、なんかあいつの僕を見る目が熱っぽくなっている。
そんなつもりはなかったんだけどなあ……。

僕があいつに姿見をプレゼントした意味は、もっと自分を見つめろってことだったんだ。
自分のことを可愛いと思うのはたいがいにしろってね。

本当の意味に気付いてほしかったな。
まあ、いいか。喜んでもらえたわけだから。

あれ?別に喜んでもらいたいはずじゃなかったのに。変だな。
でもプレゼントをあいつが受け取ったときの笑顔がなんだか脳裏に残っている、ってことは認めてあげなくもないと思った、あの冬の日。
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# by yumi_si | 2008-11-09 18:30 | 対処法
彼女はとても23歳に見えないほど無邪気で、可愛らしいひとだった。

「ねえ、『好き』って10回言ってみて」
「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」
「じゃあ、私の事は?」
「嫌い」
「えー酷い!なんてこと言うのよ、まったくもう」

また彼女は、僕らが疑ってしまう全ての物を信じていた。

「赤い糸はきっとあるの」
そう言って彼女は小指の先に実際に糸が付いているかのように引っ張る。
「ね、あなたの小指、引っ張られるでしょ?」
「いや全く」

そんな彼女はある時、僕にあるものを渡した。
向日葵の花と手紙が一通。

「なんで向日葵?」
僕は疑問に思って聞いてみた。
「あなたは私の太陽だもん。向日葵って、太陽の象徴でしょう?」

微笑みながら彼女は続けた。
「あとゴッホがゴーギャンに愛を込めて向日葵を描いたのと同じように、私も向日葵をって」
「でも彼らは両想いじゃないよね」
「もう、あげ足取らないでよ」
彼女のふくれっ面がまた愛しい。

「この手紙は?」
「私が死んだら開けて」
冗談なのか本気なのかわからない表情で彼女は言った。

「物騒だね。どうしてまたこんなの書こうと思ったの?」
ふっと微笑んだきり、彼女は何も言わなかった。

この手紙を受け取った日の夜、彼女は自宅のアパートで手首を切って自殺した。
第一発見者は、僕だ。

何も残されていなかった。
僕に渡された手紙以外には、何も。

手紙には一言
「私が死んだら、私を食べて」
と書いてあった。

これが彼女から僕宛ての、最初で最後のラブレターとなった。

僕はそっと彼女に口づけをして。
そして彼女の望みどおり、彼女を食べた。
味は、覚えていない。

ただ彼女を失った穴を埋めるように、ひたすら食べ続けた。
食べきれなかった分は冷凍庫に入れて、2日かけて食べた。

僕は彼女の全てを食べ尽くした。
これでもう、僕らはずっと一緒だ。

彼女のいない世界に生きていく必要はないけど、彼女は僕の中で生きているから。
僕が死んだら、彼女は2回死ぬことになるよね。
そんなことはしないよ。

いつか僕が死ぬ時には、誰かに食べてもらおう。
そして、誰かの中で僕と彼女はまた一緒になるんだ。
それが今の僕の一番の願い事。

トラバでボケましょう 2008 秋 レベル10

お題:「恋文」(ラヴレター)

■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■□
【ルール】
参加:
 お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。
 締切りは1つのお題に対し30トラバつく、もしくは10月31(金)夜中まで
 1つのお題に対しては1IDにつき1トラバ(1ネタ)とします。
 お題が変われば何度でも参加OKです。

チャンプ:
 お題を出した人が独断で審査しチャンプ(大賞)を決めます。
 チャンプになったら王様です。以下の特典と栄誉が行使できます。
  1.お題を出す
  2.言いたい放題な審査をする
  3.次のチャンプを決める
 何か困ったことがありましたら開催事務局までどうぞ。

企画終了条件:
 みんなが飽きるまで、もしくは開催事務局が終了宣言を告知した時です。

参加条件
 特になし!
 ※ 以下あれば尚可!!
 ブログをもっている。あるいはこれから作成する。
 トラックバック機能が使える。

 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

 企画元     毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/
 開催事務局  ボケトラの穴     http://trana88.exblog.jp/
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

カニバリズム、今現実世界の友人たちの間で流行っているのです。
ですので。私も流行にのってみましたの。
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# by yumi_si | 2008-10-23 20:59 | トラバ

審査における対処法

トラバでボケましょう 2008 秋 レベル9 参加作品一覧

1.トラボケ9th(ダーサの庵)
2.格差社会のカウボーイ(宇宙のどこかの片隅で。)
3.鳩の森には帰りたい。(カツオ君は永遠の小学生。)
4.刻印(SOFIA_SS)
5.不治の病(極秘計画資料室 [Jemini's Blog 4th edition)
6.健康になるためだったら、死んでも良い。(自称ダンディ文豪の(自称)の戯(ざ)れ事)
7.不治の病(暇つぶしのウナギ御飯。)
8.『鳥を凶暴にする病気』 (ばれたら妻に殺されるblog。)
9.厄介なウィルスに感染した時の対処法(Life is Statistics)
10. またあした(雨中 砂場あそび)
11. トラバでボケましょう 2008 秋 レベル9(放浪猫の遊び場)
12. 不治サファリパーク(プリティかつ怠惰に生きる)
13.タメイキという病(北の夢想科学小説)

オープン参加
14.スターチャイルドに誘われて(footprint)


只今審査中です。

本当にご参加有難う御座います。
こんな辺鄙な土地に来ていただいて、とても感動しております。

今からのオープン参加も歓迎しております。
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# by yumi_si | 2008-10-18 11:29 | トラバ